開発ストーリー

直感的な操作で、最高のパフォーマンスへと導く。
まったく新しいコンセプトでつくられたランナー向けのギアRUCOE RUN。
自らもランナーとして大会に出場する開発の中核となった2名によるインタビューを行った。

RUCOE RUNが目指したのは
「成功体験」のサポート

開発者:佐々木 誠(左) 考案者:荒井 慧(右)

荒井:スタート地点に立ったときにいつも最高の自分でいて欲しい。それがRUCOE RUNの着想でした。
RUCOE RUNの開発が始まったのは、2017年。社内のスポーツプロジェクトをより強化していくタイミングでした。
これまで、物理療法機器は「痛くなったら使うもの」というマイナスからのリカバリーの発想での使用がほとんどでした。
今回RUCOE RUNの開発にあたり、もっとプラスのアプローチができないだろうかと発想を変えたのです。

佐々木:それが「パフォーマンスを発揮するもの」という、RUCOE RUNのアプローチなんですよね。
だから私は、開発において自分の実体験による感覚を大切にしました。私自身が「これを使って練習すれば本番の調子が上がりそう」「これだったらマラソンのベストタイムが出そう」という実感を得られることを目指しました。

荒井:私も、開発の段階からこのRUCOE RUNを繰り返し使い、常に「フル出力でいけそうだ」という状態まで持っていけるかどうかを試していました。
自分が自己ベストを出したときのような、あの清々しい感覚を、ぜひみなさんにも体験して欲しい。そして、みなさんにとっての 「成功体験」の手助けになりたいという想いがありました。

分かりやすい名称。
新しいギアを感じさせる形状

荒井:ネーミングはすごく悩みましたね。「自分を超えて欲しい」というメッセージを込めることを目指し、開発チームみんなで何十案と考えました。
最終的に分かりやすく 「超える」という言葉のアナグラムに決定しました。

佐々木:弊社のほかの機器と比較しても、これまでにないまったく新しいプロダクトという存在意義は外せませんでしたから、ネーミングはもちろん、デザインもこだわりましたね。

荒井:プロトタイプは機械然としたデザインでしたが、そうではなく「今回、勝負に行くギアなんです! 今までと一線を画したデザインにしてください。」という意見を開発サイドに伝え、それから四角のスティックタイプが出てきました。また握れる大きさで、片手で直感的に操作できることを目指したんですよね。

佐々木:それに、新しいプロダクトとしても広めたくて。大会などで、選手が持っていたりぶら下げているときに「なんだろう?」という話題を呼びそうな外見にしたかったんです。

アスリートの
サポート現場から生まれた、
電気へのこだわり

荒井:私が、絶対に譲れなかったのが、高品質な電気刺激が出るというところ。ビリビリと痛くないことです。

佐々木:弊社の機器はなめらかで高品質な電気が特徴なので、電気のクオリティには特にこだわりました。

荒井:また陸上界で長年活用されている電気の波形を搭載していることも、大きな特徴のひとつ。その監修を数々の世界大会でアスレティックトレーナーとしてご活躍されている下山田陽子先生にお願いしました。
多くのサポート現場で積み上げられてきた電気の刺激強度、筋肉の収縮時間などのセオリーに基づいていることもRUCOE RUNの特徴なんです。

佐々木:実際この電気を私自身も使ってみたのですが、先ず何が変わるかというと、筋肉痛になるということです。電気をかけたところが、いつもと同じトレーニングをしているのに、なぜか筋肉痛になる。

荒井:同様に、陸上競技の選手をはじめ、競輪の選手などさまざまなアスリートの方々にも試していただきました。
ある競輪選手は「練習でも筋肉痛には絶対ならない…」と言っていたのが、「筋肉痛になった」って言っていましたね。
その理由は、電気で1度動かした部分が、正しい動きを覚えてくれるからなんです。人間の機能は正しい動きを反復すると、筋力を発揮したりその動きを意識しないでもできるようになったり、運動学習できるんですよね。

片手での直感的操作を
可能にしたディテール

荒井:RUCOE RUNには、「WAKE」「ACT」「COOL」と3つのモードがあり、一連の操作を想定しています。
「WAKE」と「ACT」で練習やレースの前までに、身体を使いやすい状態にする。その後は「COOL」モードでクールダウンする。この一連の流れをつくりたかったんですよね。

佐々木:3つのモードに絞ったのは、操作をかんたんにするといった狙いもありました。さらに使いやすさでは、インターフェースにも工夫をしています。
例えばボタン・表示類は最小限に絞り、分かりやすさを追求しました。
充電コネクターの差込口にUSB Type-Cを採用したのも、差し込む方向を気にするストレスを無くすためです。
開発チーム以外の社員が第三者評価し、一回使えば直感的に理解できるような設計をしています。

本体のコンパクト化。
バッテリーの最適化

佐々木:開発で最も苦労したのは本体の大きさです。

荒井: 最初はもう少し大きめのサイズ感を計画していたのですが、握りづらかった。片手操作には向いていなかったのです。
それなら、もう少しダウンサイジングしようとなりまして。「小さい電池はないですか?」と開発にお願いして探してもらったところ、見事マッチするものが見つかってひと安心しました。

佐々木:バッテリーが小さくなった分、回路の効率を上げました。効率が悪いと、内部で熱を持ち始める。やがて熱破壊を起こしてしまいます。そこで内部の温度を上げないための検証を全部、試作段階で行いました。

荒井:基本の使用時間を10分に設定したことも、バッテリーの小型化を実現する要因になりました。
2チャンネル同時にフルパワーで使っても、バッテリーは5時間くらい持続します。1日3回使用したとして、1週間以上は充電なしで使える計算ですね。

RUCOE RUNブランドの基盤づくり

佐々木: RUCOE RUNは、基本的にはフィールドで使うものなので、仮に土まみれになっても踏まれても、急な雨でも壊れちゃダメなんです。強度や耐水性をクリアすることも非常に大事でした。

荒井:結果、弊社の小型機の中では、過去最高の強度になりましたよね。

佐々木:本体や付属品の色も非常に重視していて、ベースの青色に合わせて統一感を徹底しています。プラスチック、ゴム、紙など質感の異なる材料が多いため、色づけも至難の業でした。
化粧箱に関しては最初、「製造なんて、どこに頼んでも一緒だろう」と依頼したら、イメージ通りのモノが上手く出きずに、とんでもない箱が上がってきて。これは使い物にならんと。

荒井:試作品が仕上がる時期になり「どうですか?」と聞きに行ったら「ダメです、捨ててやろうかと思いました」って(笑)
強いこだわりを感じましたね。なかなかうちの佐々木が、そんな強いこと言うことないんですけどね。

佐々木:全部そろってくると、プロダクトの統一感が見えてきたんですよ。最後に手がけたのがCHARGE CODEと書かれている充電コードの箱。「これだけは袋入りでいいんじゃないかな」と考えていましたが、最終的に「これも箱に入れないと許されないだろう」となりましたね。

荒井:ブランドイメージが損なわれると。

佐々木:本来捨てちゃうものなんですけど。使用する際の最初のワクワク感になるものでしょう。感動を与えたい。これでレースを勝っていくんだと思ってもらいたい。

荒井:まさに「自分を超えるんだ」と。

多くのアスリートやトレーナーの
込められた想い。

荒井:弊社は公益財団法人 日本陸上競技連盟とオフィシャルサプライヤー契約を結び、多くのトレーナーさんや選手の方々とやり取りさせていただいてきました。
例えば合宿のときにトレーナーの方々へ機器をお貸出しし、その際に良かった使い方、悪かった使い方などさまざまな意見を教えていただきます。そういった生の声を、現場の知見として集約してほかのトレーナーの方々へ紹介することで、技術がまた選手たちに提供されていく。
こうした多くの方々の活動、想いすべてがRUCOE RUNにつながっているんです。

「走る」が楽しくなる
世界をつくりたい。

荒井:RUCOE RUNはとにかく「走る」にこだわりました。先ずは走ることの楽しさを広げたい。あとはそれぞれの「走る」の支えとなれたら、ステキだなと思っています。
本気のランナーが、世界大会を目指すためのレースに。お子さんの運動会でお父さんが全力疾走できるように。80歳、90歳になっても、健康を維持するため楽しく走れるように。
「走る」ことを通じて、楽しい思いを積み重ねていくための一助になって欲しい。
みなさんにとっての最高の「成功体験」を支えていける。そんなプロダクトになっていってもらいたいですね。

自分を「超える」ための最高のギアを。

荒井 慧 SATOSHI ARAI
社長室 課長 / スポーツ事業推進役

RUCOE RUNを短・中距離の視点で考える。
東海大学体育学部社会体育学科卒。100mからフルマラソンまで幅広く。
2010年中部実業団対抗陸上競技選手権800m 4位入賞
社会人になってからは週末の趣味として競技活動を継続。入社後5年間は自己ベストをマークしつづけた。

「走り」のニューノーマルをつくる。

佐々木 誠 MAKOTO SASAKI
開発生産本部 / 開発部メカ設計課 課長

RUCOE RUNを長距離の視点で考える。
本製品の開発のベースとなった低周波機器の開発に携わる。 専門職である業務のかたわら、休日はスポーツに打ち込み、好きな競技は自転車、水泳など多彩。フルマラソンでは3時間40分台の自己ベストを持つ。